日本に来てあっという間に1週間が過ぎましたが、2月24日の宣伝会議のソーシャルメディアマーケティングセミナーも無事に終了して、受講者の方から価値があったというお言葉も頂き、ほっとしています。当日の様子は講師として壇上に立たれたトライバルメディアハウス代表の池田紀行さんの実況中継があり、多くの方がライブでTweetを読まれたようです。ハッシュタグは池田さんが設定した #senden_smmで、JunyAmoriさんがそれをもとにサイトにまとめています。
池田さんはご自身のセミナーのポイントをブログでエントリされていますので、皆さんぜひそれをご覧ください。
私のセミナーのポイントはソーシャルメディアにマーケターが参加する際に、大前提として、Dale Carnegieが74年前の名著「How to Win Friends and Influence People」から、「人々があなたを好きになる6つのやり方」を引用してお話しました。これは現代のSMMを考える際に重要なAttitude(姿勢・態度)で、通常の個人の人間関係においても、守るべき大切な心構えです。
- Become genuinely interested in other people.(他の人たちのことに、心から興味をもとう)
- Smile.(微笑もう)
- Remember that a man's Name is to him the sweetest and most important sound in any language.(人の名前はどんな言語においても、その人にとって最も優しく大切な響きを持つことを思い出して欲しい)
- Be a good listener. Encourage others to talk about themselves.(良い聞き手になろう。他の人たちが自分のことを話すように励まそう)
- Talk in the terms of the other man's interest.(他の人たちの興味に沿った言葉で話そう)
- Make the other person feel important and do it sincerely.(他の人たちが自分を重要だと感じるようにしよう、またそれを真摯にやろう)
カーネギーのこの6つのやり方をじっくり読んでSMMに置き換えると、人々(ユーザ)は、あなた(企業)のことを好きなると思います。1936年に出版されたこの書籍はすでに1500万部以上販売されており、「ソーシャルネットワーキング=人々と関係を作る」を考える時に、真っ先にアタマに入れておきたい内容です。
セミナーでは、池田さんのほかに、デルのマーケティングコミュニケーションマネジャーの千歳敬雄さんとワイデンアンドケネディのエグゼクティブクリエイティブディレクターの伊藤直樹さんのお話があり、お3方の個性あふれる講演は日本で味わう価値あるお話でした。
池田さんの言葉で印象的だったのが「SMMは魔法の杖ではない」という表現です。これは米国でも「Facebook戦略とかTwitter戦略」という表現をすること自体、発想が間違っているという指摘と同じで、企業が間違い得やすい部分です。
千歳さんの言葉で印象的だったのが、「エンゲージメントは、囲い込みではなく、時々思い出しもらうこと」という表現。ソーシャルメディアにおいて、ユーザとエンゲージするためには、相手にとってまた話してみたくなるような親近感を抱いてもらうことが大切。毎日来なくても、時にはあの人はどうしているかなと思うぐらいの緩やかさがあって良いと思います。人は強制的に他の人やモノを好きになることはないので、企業は「囲い込み」という旧時代的で売らんかなという臭いがぷんぷんする醜悪な言葉や発想は避けるべきです。
伊藤さんの言葉で印象的だったのが、「SMMで重要な事は余白(人が議論するための隙間)」で、「みんな楽しんでいる場に、お邪魔するには、お土産や気の利いた一言が必要」という視点です。米国では「ソーシャルネットワークはカクテルパーティみたいなもの」と言われます。確かに、手土産やウィットの効いた会話はパーティを盛り上げますし、パーティの主催者も参加者も、みんないい意味で気を使うとますます楽しくなります。
最近、Twitterをやっていて気がついたことは、「1人で1日中、自分の生活や仕事を、時系列で24時間、放送している人」がいるという点です。ソーシャルネットワークの楽しみとは「放送」ではなく「会話」を楽しむことです。もちろん、Twitterはパブリックに向かって発するマイクロブログですので、ある意味でFacebookのようなSNSとは異なります。ただ、すでに世界中で月間14億のTweetが発信されている中、あまりにも1人勝手なモノローグばかりを見せられると、せっかく花が開きはじめたソーシャルネットワークのエコシステムは崩れそうで、不安にもなります。
私は最近1人で「インターネット安息日(サバス:1週間に一度はオフになる)」を提唱しており、価値のある会話をSNS上でみんなと共有して、週末は身体を動かすことにエネルギーを傾けています。昨日とおとといはインターネットサバスを実行して、夫と2人で雨の鎌倉や津波警報の横浜を歩き回っていました。以下は私たちのインターネットサバスの風景です。

先日はありがとうございました。
この日のセミナー後、アタマの中の何かのスイッチ(まだよくわかりませんが(笑))が入りました。
益々のご活躍を祈念しております。
投稿情報: 田中準也( | 2010年2 月28日 (日) 22:57
田中さん、早速のコメントありがとうございます。ブログでも書きましたが、週末は「インターネットサバス」で、夫と古都めぐりをしており、超スローなブログエントリとなってしまいました(笑)。鎌倉で和紙や抹茶用のファンキーなお茶碗を買い込んで、今日も仕事の前に一服立てて、お茶とお茶碗を楽しみました。気分はちょっと外国人モードです。
投稿情報: 大柴ひさみ | 2010年2 月28日 (日) 23:04
本日、別件のセミナーでお話を伺わせていただいた岡田と申します。
「ソーシャルネットワークの楽しみとは「放送」ではなく「会話」を楽しむことです。」
私も本当にそう思います。ご講演、ありがとうございました。
投稿情報: おかだま | 2010年3 月 5日 (金) 04:11
岡田さん、コメントありがとうございます。また楽しんでいただけたようで、何よりです。今後もブログやTwitterで会話していきましょう。大柴ひさみ
投稿情報: 大柴ひさみ | 2010年3 月 5日 (金) 04:15
講演を伺って、twitterとFacebookの使い方をちょっと見直してみようかなと思いました。刺激を与えていただいて、本当にありがとうございます。どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。
投稿情報: おかだま | 2010年3 月 6日 (土) 17:46
岡田さんそうですね、ソーシャルネットワークはまずは自分で楽しんでから、ビジネス活用を考えたほうが、その「エコシステムの肝みたいな部分」が理解しやすいと思います。実感レベルで得たナレッジは、本や人の話よりよっぽど血肉となって仕事でも生かされると思います。大柴ひさみ
投稿情報: 大柴ひさみ | 2010年3 月 6日 (土) 19:01
実は私は80年代の終わり頃、NiftyのForumでシスオペをしていたこともあって、ネットワークの価値ということにはずいぶんと関心があるんです。そういう意味で、今の私の関心は、"Personal Promotion"(個人という存在の宣伝)でしょうか。mixiなどは、そのための実験フィールドとしてとても面白いなと思って使ってきました。Facebookもそういうもののような気が、私などはしています。
逆に、Twitterは、うーん、どうしたものかと思ってきた感はあります。おっしゃる通り、"渋谷ナウっていわれてもなぁ~"と思っていたからです。また個人と個人の距離感があまりにフラットなのも「対象セグメントが存在しないメッセージって何? コミュニケーションじゃないじゃん。」という気がしていたからです。そのあたり、逆に今回お話を伺って、まぁ、私のように思うのは私だけじゃないんだなと、すっきりしたのです。
もちろん、コミュニケーションがすべてだとは思いません。たとえば、LinkedInなどは、超ロングレンジの非同期型コミュニケーションと思うと、自分なりにはよくわかる気がしますから。
でも、やっぱり、大柴さんのお話、うんうん、そうそう、とよくわかる気がしました。
これからもどうか面白い話をTwitterやブログできかせてください。どうかよろしくお願い申し上げます。
岡田 誠
投稿情報: おかだま | 2010年3 月 7日 (日) 20:38
岡田さん、ご丁寧にいろいろなナレッジの共有ありがとうございます。いろんな方の意見や知見をいただいて、私もさらに考えていきたいと思います。よろしくお願いします。大柴ひさみ
投稿情報: 大柴ひさみ | 2010年3 月 8日 (月) 17:34
こちらこそ
投稿情報: おかだま | 2010年3 月10日 (水) 06:29